肌が乾燥してしまうと、ツヤや透明感がなくなって老けたように見られるだけでなく、
バリヤ機能が低下するので、
肌あれなどさまざまなトラブルを招いて老化を促進することになります。
さらに、バリヤ機能の低下は、外からの刺激を受けやすくなるので、
肌が敏感に傾いて、髪や衣類が少しだけでも触れるとかゆくなったり、
化粧水のアルコールでかぶれて赤くなったりと、
普通の肌なら何も感じない程度の刺激にも敏感に反応するようになってしまいます。
こうしたトラブルを防ぐためには、保湿成分を与えて、
常に肌が潤っているという状態をキープして乾燥から肌を守ることが必要です。
では“肌が潤っている”とは、一体どうゆう状態なのでしょうか?
肌が潤っているとは、肌自身がセラミドなどの保湿物質を蓄えて、
角質層内に水分をキープしておける状態のことです。
保湿物質が正常に働いて、角質層内に約20%の水分量がキープされていれば
健康的な肌状態で、それ以下になった場合は乾燥肌ということになります。
このように肌の潤いを守る主役となるのがセラミドですが、
その他に、皮脂と天然保湿因子(NMF)の2つの働きもあります。
実は、肌は、皮脂、天然保湿因子(NMF)、セラミドという三段階で
潤った状態をキープしています。
まずは、肌の表面にある皮脂と汗が混ざってできている皮脂膜で水分の蒸発を防ぎ、
その内側の角質層で、天然保湿因子(NMF)は水分を抱え込み、
セラミドは水分をサンドイッチ状にはさみ込むといった性質で、
3つ成分が協力し合って水分をキープしています。
ですが、その中でも主役は、やはりセラミドで、
角質層の水分のうち約80%以上はセラミド、
約16~17%は天然保湿因子(NMF)、
残りの約2~3%が皮脂というキープ率になっています。
これだけ強力な水分保持力を発揮しているセラミドですが、
肌のターンオーバーの過程の中で作られるので、
年齢を重ねるとともに老化して新陳代謝が低下してくると、その生産量が減少し、
セラミドが不足して角質層内の水分をキープできなくなってしまいます。
このように不足してしまったセラミドは、
セラミド配合という化粧品で補うことができます。
また、セラミドの他には、コラーゲンやヒアルロン酸なども
美容液に含まれる保湿成分として有効です。
しかし、中には、化粧水をたっぷりつけて、
潤いを与えたと思い込んでいる人がいらっしゃいますが、
化粧水の水をいくらつけても肌の水分にはなりません。
化粧水をたっぷりつけた直後は、肌がしっとりして潤ったように感じますが、
時間が経てば、その水分は全て蒸発してしまいます。
そもそも肌内部の水分は、外から入り込んで来るものではなく、
体の内側からしみ出して来たものです。
その水分を守るためには、保湿成分が必要となります。