空気の乾く秋冬だけでなく、1年を通じて肌がカサカサして
粉がふいたようなになる乾燥肌でお悩みの女性は、近年、増えているようです。
そんな多くの女性が悩んでいる乾燥肌とは、いったいどういう状態なのでしょうか?
健康的な肌は、約30%の水分量を維持していますが、
これが30%以下の水分含有量に低下すると乾燥肌ということになります。
しかし、湿度が低く空気が乾いたときでも、肌内部の水分量が保たれて
乾燥を防いでいるのは、肌内部に存在する保湿成分の働きによるものです。
人の肌は、一番上の表面になる「表皮」、その下の「真皮」、
そして、一番下にある「皮下組織」の3つに構成されていますが、
その中で、合わせてもわずか約2mmという厚さの「表皮」と「真皮」は、
美肌を支える重要な役割を担い、スキンケアの大切なポイントとなる部分です。
肌の表面になる「表皮」は、肌内部の水分の蒸発を防ぎ、
乾燥から肌を守る働きと外部からの刺激や異物が肌内部に入らないようにする
バリヤ機能が主な役割で、「真皮」は、コラーゲンという成分が
約70%を占めて肌の弾力やハリを保ち、
表皮を支えて肌の土台となる役割をしています。
そして、「表皮」は、一番上から角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4つで
構成され、一番上の角質層は、わずか0.02mmという薄い膜ですが、
約20層もの角質細胞がレンガ状に積み重なってできています。
この角質層の中でレンガのように積み重ねられた角質細胞を
つなぎ留める役目をしているのがセラミドという保湿成分です。
このセラミドは角質細胞間脂質と呼ばれ、角質内で約40%を占め、
残りはスフィンゴ脂質や遊離脂肪酸などが含まれ、
これらの脂質が働き合って水を挟み込み水分量を保ち乾燥から肌を守っています。
このように、肌内部の水分量を維持するために
最も大きな働きをしているのがセラミドですが、
その他に、角質細胞内にあるNMF(Natural Moisturizing Factor)と
呼ばれる天然保湿因子や毛穴から分泌される皮脂と
汗腺からの汗が混ざってできる皮脂膜も水分保持の働きをしています。
しかし、年齢を重ねると共に老化の影響で、
保湿成分のセラミドは肌内部での生産量が減少し水分保持ができなくなり、
また、皮脂の分泌量も低下して皮脂膜が弱くなり、
肌は徐々に乾燥しやすくなってしまいます。
こうした原因でセラミドが失われ、乾燥がちになった肌のスキンケアとしては、
やはり、セラミドなどの保湿成分を含んだ美容液を与え、
肌の保水力を高めることです。
化粧品によく含まれている保湿成分にはセラミドの他に、
スフィンゴ脂質、レシチン、それに、真皮に存在するコラーゲン、ヒアルロン酸、
エラスチンなどがあります。