少しでもスキンケアの意識が高い女性なら、
“ターンオーバー”についてのことはよく知っていると思います。
ターンオーバーとは、若々しい美肌を保つために、
表皮細胞の生まれ変わるメカニズムのことです。
人の皮膚は単純な1枚の皮ではなく、
大きく分けて表皮、真皮、皮下組織という3層の構造からできており、
人体を覆って、外からの刺激に反応して内部を保護するという
大切な働きをしています。
その中で、肌の表面に位置する表皮という部分は、
上から角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4つの層で構成されています。
この表皮の中で、
一番深いところにある基底層で新しい表皮細胞が生まれ、
その後、成熟しながら、有棘層、顆粒層と徐々に上に押し上げられて
角質層まで届き、最後はアカとなって体外に排出されます。
表皮細胞は角質層に届いた時点で死んでしまいますが、
死ぬ瞬間に、細胞間脂質のセラミドが細胞の外へ放出されます。
この放出されたセラミドが、
強固なバリヤ機能を作る重要な成分として働き、
肌内部の水分を維持して潤いを保っています。
人の体の細胞は常に生まれ変わっていますが、
肌の細胞もそれと同じように生まれ変わり、
古い細胞は次々と外へ剥がれ落ち、新しい細胞に変って、
新鮮な肌が生まれ、美肌を保つことができるというわけです。
また、肌についた傷口や虫さされの跡が綺麗に消えるのは、
こうした肌のターンオーバーによって
常に表皮細胞が新しく生まれ変わっているからです。
人の目で直接見えるのは、肌の最上層の角質層なので、
この角質層が美しいかが、美肌を決める重要なポイントになります。
ターンオーバーのサイクルは、
一般的には平均で28日ですが、年齢を重ねるとともに、
徐々に、ターンオーバーは遅くなります。
40歳代に入ると、40~50日、
60歳代は、100日もかかるといわれています。
その結果、傷口や虫さされの跡がなかなか消えなかったり、
死んだ角質細胞が厚くたまって、毛穴の出口で角質肥厚を起こし、
くすみとしてあらわれたりします。
ですが、ターンオーバーのサイクルは個人によってさまざまで、
もともと30前後と、遅い人もいらっしゃいます。
大切なのは、そのサイクルが正常であること。
そして、そのサイクルを一定に保つことです。
加齢の影響でターンオーバーが遅くなるのは、
人間として生きているうえで、どうしようもないことですが、
日頃からしっかりとしたスキンケアを施していれば、
正常なターンオーバーが保たれて、
健康的な美肌を保つことができます。