フルメイクしている女性なら、それを綺麗に落とすために、
より念入りな洗顔が必要でしょうが、
普段、あまりメイクをしない人でも、朝起きてから洗顔し、
夜も1日の汚れを落とすために洗顔をします。
ほとんどの人が朝晩2回の洗顔が基本的で日課になっていると思いますが、
それでは洗顔の主な役割とは何なのでしょうか?
人の顔は、覆面を被っていない限り、一日中、空気中の汚れにさらされています。
それに加え、汗や皮脂、古い角質、メイク料などもあります。
また、家で寝ている間も汗や皮脂、ほこりなどで汚れがついています。
もし、顔の肌に汚れが付着している状態にもかかわらず、洗顔をしなかったら、
汚れから雑菌が繁殖し、皮脂は酸化するなどして、
肌に大きなダメージを与えてトラブルを招いたり、
老化を進めてしまうことにもなりかねません。
このような汚れを綺麗に落として美肌を維持するのが洗顔の目的であり、
スキンケアの基本でもあります。
しかし、洗顔後、肌がつっぱり、カサカサに乾燥してしまうという
お悩みを抱える女性は少なくありません。
よく美容雑誌などで「洗顔後は、直ぐに化粧水をつけましょう・・・」
などという記事を見かけます。
実際、洗顔後、直ぐに化粧水をつけて、その直後は肌が潤ったような気になり、
乾燥を止めているように思い込んでいる人が多くいらっしゃいます。
しかし、化粧水の水分は時間が経つとともに蒸発してしまうので、
保湿したことにはなりません。
肌が乾燥するのは、角質層のバリヤ機能が傷ついて、
水分を保持する働きができなくなっているからです。
そんな状態で、洗顔後、直ぐに化粧水をたっぷりつけたり、
クリームをベタベタ塗っても、何の意味もありません。
そもそも肌は自分自身を守るためにバリヤ機能が働いて、
外からの異物の侵入を防御するシステムが備わっています。
なので、どんなに優れた化粧水やクリームをつけても、
肌は“異物”と判断し、肌内部に浸透することはありませんし、
化粧水の水分がそのまま肌の水分になって潤いが続くということはありません。
洗顔後の肌がつっぱるような乾燥を改善するには、
まずは、肌細胞が生まれ変わるメカニズムであるターンオーバーによって
角質層が再生されてバリヤ機能が正常に働くのをじっと待つしかありません。
その間、洗顔後、化粧水やクリームをつけるのではなく、
セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸などの保湿成分を含んだ美容液を
つけることが、本当の保湿となります。
しかし、洗顔後、乾燥肌に陥る原因は洗顔法に問題があることが多いので、
毎日行っている洗顔について見直してみることが必要です。
よくあるケースは、肌の汚れをしっかり落とそうとして、
ついゴシゴシと強く擦って洗ってしまい、肌を傷つけてしまうこと。
そして、もう一つ、洗浄力の強すぎる洗顔フォームを使い、
肌細胞にダメージを与えてしまっているという2つのケースが
要因として挙げられます。
また、毎日メイクする人は、普通の洗顔フォームでは落ちないので、
クレンジング剤を使ってメイク落とししますが、
このクレンジング剤が肌にダメージを与えている場合があります。
洗顔法は“優しく丁寧に”が基本ですが、
ゴシゴシと強く擦っていることに自覚がない人が結構いらっしゃるようで、
しかも、強く擦っている割には、汚れが落ちていないということもあります。
使用する洗顔フォームについては、そこに含まれる界面活性剤が問題になります。
界面活性剤が配合されている泡タイプなどの洗顔料は、
肌にダメージを与えて、バリヤ機能を破壊してしまうリスクもあります。
特に肌が弱いと感じている人は、
余分な油をあまり含まないシンプルな固形石鹸がオススメです。
また、保湿や美白などの成分が含まれた洗顔フォームもあるようですが、
すすぎの時に洗顔料は全て洗い流すので、あまり意味がないと思います。
乾燥が酷い人は、できるだけ低刺激で、
洗浄力の弱い洗顔フォームを使ってみて下さい。
洗顔料には、
石鹸タイプ、フォームタイプ、リキッドタイプ、ムースタイプ、パウダータイプなど、
さまざまありますが、使いやすさとシンプルさで選ぶようにしましょう。
中には、肌のダメージを避けて、
さらに、皮脂を取り過ぎないようにと洗顔料を一切使わずに、
水だけで洗顔している人もいます。
それで、肌トラブルもなく、美肌を維持できている人はその方法でいいですが、
1日の汚れや余分な皮脂を十分に落とせないこともあるので
注意しなければなりません。
もし、洗い残しがあり、それが続くと、やがて皮脂が渇いてゴワゴワに固まり、
余計に酷い乾燥肌になり、さらに、炎症や酸化が進み、
ニキビ、くすみ、毛穴などのトラブルを招くことになります。
スキンケアの基本中の基本は、洗顔といっても過言ではありません。
1日を過ごした肌に付着した汗、アカ、余分な皮脂、ほこり、
化粧品の油などの汚れをスッキリ落とし、
しかも、肌に負担をかけずに、優しく丁寧にできる洗顔法を考えてみましょう。