10歳代の若い頃にできるニキビは、思春期ニキビといって、
成長期における男性ホルモンの分泌が一時的に高まり、
それによって過剰に皮脂が分泌されて、おでこや鼻周りなどの顔にできます。
それに対して、20歳を過ぎた頃からできるものは大人ニキビといって、
あごや口の周り、フェイスラインなどの顔にでき、
その他、体のさまざまな部位にもできます。
一般的に“ニキビ”と聞くと、顔にできるものと思われがちですが、
大人ニキビは、背中や胸、そして、お尻にもできます。
お尻はニキビがとてもできやすい環境なのです。
実際に、背中や胸、お尻などにブツブツとした赤いニキビができて、
水着になったり、友人と一緒に温泉に入るのが恥ずかしくて
ためらう女性は少なくありません。
意外かもしれませんが、お尻の肌は、皮脂の分泌も結構多く、
摩擦、圧迫、蒸れなどの影響を受けて毛穴が詰まりやすく、
アクネ菌の温床でもあり、とてもニキビができやすい環境にあるといえます。
特に、1日中、ディスクワークで椅子に座りっぱなしという人は要注意です。
椅子に長時間座り続けることで、お尻は過度な圧迫を受けて血行不良になり、
さらに、汗の蒸れなどで、かなりのダメージを抱える状態になります。
こうしたダメージを受け続けると、肌は乾燥しやすくなり、
新陳代謝も低下し、ターンオーバーが乱れて角質肥厚を起こすようになります。
角質肥厚を起こすと毛穴が塞がれて、そこにアクネ菌が繁殖し、
炎症すると赤ニキビとしてあらわれます。
お尻にポツポツと赤いニキビができた状態は、
酷いとただ座るだけでも痛みを感じるかもしれませんが、
絶対につぶさないようにして下さい。
できてしまったニキビはしょうがないので、清潔な状態を保ち、
極力刺激を与えないようにしましょう。
特に入浴中、つい気になって、ボディブラシや硬めのナイロンタオルで、
お尻や背中にできたニキビをゴシゴシと強くこすってしまうことがあります。
強くこすることで、少し盛り上がってブツブツしている部分が取れて、
綺麗に治ったように思えるかもしれませんが、この行為は絶対に避けて下さい。
ブツブツの部分が強くこすって取れたことで傷がつき、
そこから炎症を起こすと、シミとして残ってしまう恐れがあります。
入浴時は、柔らかな綿タオルを使い、油分を配合しているボディソープでなく、
シンプルな固形石鹸で優しく洗うように気をつけましょう。
また、入浴後に、ボディクリームなどを塗ってる方は、ニキビの部分を避けて下さい。
クリームや乳液、オイルなどに含まれている油分は、アクネ菌の栄養源になって、
ニキビを増やすことになってしまいます。
セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸などの保湿成分が含まれている美容液を使い、
肌が水分不足にならないようにしましょう。
あまりにも酷い時は、皮膚科の専門医に相談しましょう。
そして、ニキビができないように予防することが大切です。
お尻の肌にしっかりと潤いを与えて保湿し、
清潔な状態を保つことなどのケアも大切ですが、
お尻に受けるダメージをできるだけ減らすために、
通気性の良い下着を履いたり、長時間、座りぱなしを避けるなども必要です。
化学繊維の素材の下着は、空気を通しにくく蒸れやすいので控えて、
また、1日中、ディスクワークの人は、適度な休息を入れて、
立ち上がって歩くなどすると血流も改善して効果的になります。
そして、睡眠不足や栄養が偏った不規則な食事、
ストレスなどからホルモンバランスが乱れて、
大人ニキビができやすくなるということがよくあります。
毎日、6時間以上の睡眠時間を確保し、食事は、刺激物や甘いものは控えて、
たっぷり緑黄野菜を摂り、できるだけ自宅で和食中心の食事を心がけましょう。
このように今までの生活習慣を見直して
健康的な生活を送るという体の内側からのケアも大切です。