30歳代までは、白く透き通るような美肌をキープできても、
40歳を過ぎた頃から「突然と顔に薄茶色や茶褐色のシミがあらわれた・・・」
という経験をしている女性は多いのではないでしょうか。
そんなシミができる最大の原因は、紫外線によるダメージです。
ある日、突然できるように思われるシミですが、
実は、直前に浴びた紫外線のせいではなく、
長年にわたって浴び続けた紫外線が蓄積してできるものです。
20歳~30歳代で頻繁に日焼けをしてしまった人は、
そのダメージが徐々に蓄積され、ちょうど40歳を過ぎた頃から、
シミとしてあらわれてしまうというケースが多くなるわけです。
こうしたシミができる流れは、
まず、紫外線が肌内部に入り込むことから始まります。
肌の表皮に紫外線が浸入してくると、表皮細胞から肌内部を守ろうとして
「エンドセリン」などの情報伝達物質が分泌され、
この物質が下部にあるメラノサイトに働きかけてメラニン色素を作らせます。
このメラニン色素は、最初はチロシンというアミノ酸から生成され、
次にチロシナーゼと呼ばれる酸化酵素により変化して作られます。
そして、メラニン色素は、紫外線が表皮の奥にある真皮まで浸透しないように、
黒い傘のような役割をするシミを作るようになります。
通常はメラニン色素ができても、ターンオーバーで
角質とともに垢として排泄されますが、過剰にメラニン色素が作られたり、
ターンオーバーの乱れなどから、排出しきれずに残って蓄積されると、
シミとしてあらわれるようになります。
このように、紫外線によるシミができる流れを説明しましたが、
一口にシミといっても、いくつかのタイプがあり、また、できる原因も違います。
シミ対策をする場合、まずは、自分のシミのタイプを見極めて、
それに合ったお手入れ方法をすることが必要です。
☆ 老人性色素斑
シミの中で最も多く、紫外線の蓄積によってできるタイプです。
ちょうど40歳を過ぎた頃に、頬骨やこめかみに丸くでき始め、
最初は薄い茶色ですが、徐々に濃い色に変わっていきます。
予防としては、やはり、しっかりと紫外線対策することです。
初期の薄いシミなら、美白化粧品で効果がありますが、
ハッキリと濃くなったものは、美白化粧品では期待できません。
☆ 肝斑
女性ホルモンの乱れによってできるシミで、
頬骨を中心に左右対象に薄茶色にあらわれ、妊娠中や更年期の方によく見られます。
対策としては、十分な睡眠と栄養バランスを考えた食事を摂り、
規則正しい生活を心がけて女性ホルモンのバランスを整えることが大切です。
☆ 炎症性色素沈着
ニキビや傷、虫さされなどが炎症を起こし、その跡がシミとして残ったものや、
習慣的に肌をゴシゴシと強く擦ってしまうためにできるシミです。
特に、頬からあごにできるニキビは炎症して色素沈着しやすいので注意が必要です。
☆ 脂漏性角化症
加齢や紫外線の影響で、イボのように盛り上がってできたものです。
しっかりと紫外線対策することが予防になります。
美白化粧品では効果がありません。
☆ 雀卵斑
10歳代の頃に、遺伝的な影響で鼻を中心に小さく散らばってできる
「ソバカス」と呼ばれるシミです。
遺伝的なものなので、なかなか防ぐことは難しいですが、
紫外線を浴びないように注意が必要です。