少しでも美意識のある女性なら、紫外線の恐ろしさは当たり前のように理解して、
万全の対策を講じていると思います。
また、最近、よく聞くようになった活性酸素という言葉にも敏感になり、
なんとか肌老化を遅らせて、いつまでも美肌が維持できるようにと、
多くの時間と大金を費やして効果的なエイジングケアを
模索しているのではないでしょうか。
一般的に、肌老化を加速させる最も大きな要因として、紫外線、
次に、活性酸素、といったことがよく知られていると思いますが、
もう一つ、最近、注目されている糖化という言葉も知っておくべきです。
糖化とは、体内のタンパク質が、
食事で摂取した糖と結合することで起こる反応のことです。
もともと人の体は、多くのタンパク質でできていますが、
このタンパク質が、普段の食事で口から入ってきた糖分と結合すると、
変性してＡＧＥ（糖化最終生成物）という老化促進物質が発生します。
こうした糖化によって発生した物質のＡＧＥの存在が大問題で、
ＡＧＥが増えるとタンパク質でできたコラーゲンは、どんどん変性して硬くなり、
弾力を失って、肌がたるんでシワができるということになります。
糖化は、特別に人の体内だけに起こる反応というわけではありません。
例えば、クッキーやホットケーキなどを焼くと、茶色に変色しますが、
この変化は、卵や牛乳に含まれるタンパク質が砂糖と結合して糖化したもので、
実際に、茶色に変色した部分には、ＡＧＥが多く含まれているそうです。
しかし、このＡＧＥが大問題なのは、
肌内部のコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質だけでなく、
血管や筋肉などのタンパク質もどんどん変性して劣化させてしまうことです。
それが、血管のタンパク質でできた組織だと、血管壁に炎症などの悪影響を及ぼして、
動脈硬化を招く恐れがあり、
最悪は、脳梗塞や心筋梗塞などの命にかかわる重病につながります。
その他、骨の老化を加速させたり、
アルツハイマー病などの認知症も深く関係しているといわれています。
このように、とても恐ろしい糖化ですが、実は、食後、血糖値が上昇した時、
特に食後１時間経った時点に最もさかんにＡＧＥが発生します。
ようするに、食後、血液中に糖分が溢れている状態が糖化しやすいというわけです。
このことから、糖化を防ぐ対策としては、食事の摂り方を考えて、
血糖値の上昇をできるだけ抑える食習慣に改善することが有効になります。
主食としているご飯、パン、ラーメン、そば、うどん、パスタといった
炭水化物をできるだけ控えて、野菜中心のメニューにしたり、
ドーナツ、ホットケーキ、大福もち、ジャム、こしあん、つぶあんなどの
血糖値を急上昇させる甘いものを控えるなどして、
血糖値の上昇ができるだけゆるやかになる食事に改善することが有効です。
