年齢を重ねるにつれて気になり始める肌の乾燥やハリ不足、
そして髪のボリュームの低下。
40歳代以降の女性にとって、肌と髪のエイジングケアは大切な美容テーマです。
そんな肌と髪の健康を考えるうえで注目したい食材が、
北海道などで採れるガゴメ昆布です。
ガゴメ昆布といえば、ほかの昆布と比べても強いヌメリが特徴的な海藻。
このヌメリには「フコイダン」と呼ばれる成分が含まれています。
フコイダンは、海藻に含まれる水溶性食物繊維の一種で、
肌の保湿や毛髪の成長に関係する研究が進められている成分です。
今回は、ガゴメ昆布に含まれるフコイダンに注目し、肌の潤いを守る働きや、
毛乳頭細胞と毛髪の成長期との関係について詳しく解説します。

1.ガゴメ昆布のヌメリ成分「フコイダン」とは?
ガゴメ昆布は、北海道の函館周辺などに生育する昆布の一種です。
表面に強いヌメリがあることが特徴で、刻んだり水に戻したりすると、
独特の粘りが生まれます。
このヌメリに関係している成分の一つがフコイダンです。
フコイダンは、フコースという糖を主な構成成分とする硫酸化多糖類の総称です。
昆布やワカメ、モズクなどの褐藻類に含まれており、
海藻の表面を乾燥や外部環境から守る役割に関係していると考えられています。
フコイダンには、保水性や粘性に関係する性質があり、
食品や化粧品などの分野でも研究されています。
ただし、フコイダンは海藻の種類によって構造や性質が異なります。
そのため、ガゴメ昆布に含まれるフコイダンの働きを考える際には、
ほかの海藻由来のフコイダンと区別して考えることも大切です。
2.フコイダンで肌に潤いのヴェールをつくる?
美しい肌を保つために欠かせないのが、肌の水分を守る保湿機能です。
肌の表面には角層があり、
角層の細胞間脂質や天然保湿因子などが水分の保持に関わっています。
また、皮脂膜も肌表面からの水分蒸散を抑える役割を担っています。
ところが、年齢を重ねると、皮脂の分泌量や角層の水分保持機能が変化し、
肌の乾燥が気になりやすくなることがあります。
肌が乾燥すると、キメが乱れてくすんで見えたり、
小じわが目立ちやすくなったりするため、日頃から保湿を意識することが大切です。
そこで注目されるのが、フコイダンの保水性と粘性です。
フコイダンは水分と関わりやすい性質を持ち、化粧品に配合した場合には、
肌表面にしっとりとした感触を与えたり、
水分を保つための膜状の層を形成したりすることが期待されています。
このような性質から、
フコイダンは肌に潤いのヴェールをつくる保湿成分として研究されています。
ただし、ここで区別しておきたいのが、肌に直接塗る場合と、
食品として口から摂取する場合の違いです。
化粧品に配合されたフコイダンが肌表面の保湿を助けることと、
ガゴメ昆布を食べることで同じような保湿膜が肌に直接つくられることは、
同じではありません。
食品から摂取したフコイダンは消化管を通過するため、
食べた成分がそのまま肌表面に移動して
潤いのヴェールを形成するわけではないのです。
ガゴメ昆布を食事に取り入れる場合は、フコイダンの働きだけに頼るのではなく、
タンパク質やビタミン、ミネラルなどもバランスよく摂取し、
体の内側から肌の健康を支えることが大切です。
また、肌の乾燥が気になるときは、
セラミドやグリセリンなどの保湿成分を含む化粧品を使い、
洗顔後に適切な保湿ケアを行うこともおすすめです。
3.フコイダンは毛乳頭細胞にも関係する?
肌と同じように、40歳代以降の女性が気になりやすいのが、
髪のハリやコシ、ボリュームの変化です。
髪の成長を考えるうえで重要なのが、毛根の奥にある毛乳頭です。
毛乳頭は毛包の底部に位置し、周囲の毛母細胞などに働きかけることで、
毛髪の成長を調節する重要な役割を担っています。
毛母細胞が分裂を繰り返すことで毛髪がつくられ、
その成長には毛乳頭と毛包を取り巻く細胞間の情報伝達が関係しています。
毛髪には、主に次のような成長サイクルがあります。
– 成長期
毛髪が活発につくられ、伸びていく時期
– 退行期
毛包の活動が徐々に低下する時期
– 休止期
毛髪の成長が止まり、やがて抜け落ちる時期
健康な髪を保つためには、こうした毛周期が適切に維持されることが大切です。
加齢やホルモンバランスの変化などによって毛周期が乱れると、
髪が細くなったり、成長期が短くなったりする場合があります。
そこで研究されているのが、フコイダンと毛乳頭細胞の関係です。
フコイダンについては、
細胞の働きや毛髪の成長に関係する仕組みを調べる研究が行われています。
研究条件によっては、
毛乳頭細胞の活性や毛髪の成長に関わる反応への影響が検討されています。
毛乳頭細胞の働きが毛髪の成長を支えることを考えると、
こうした研究は、フコイダンの新たな可能性を探るうえで興味深いものです。
ただし、フコイダンを摂取することで、人の毛乳頭細胞が確実に活性化し、
毛髪の成長期が延長されると断定できるだけの臨床的な証拠は、
現時点では十分ではありません。
特に、試験管内の細胞研究で確認された作用が、
そのまま食品として摂取した人の頭皮や髪にも現れるとは限りません。
そのため、ガゴメ昆布やフコイダンを、
発毛や薄毛改善が確実に期待できる成分として捉えるのではなく、
今後の研究が期待される成分として理解しておくことが大切です。
4.40歳代女性が美しい髪を守るために意識したい栄養素
フコイダンの研究に注目するだけでなく、
髪の成長を支えるための基本的な栄養管理も忘れてはいけません。
① タンパク質
髪の主成分はケラチンというタンパク質です。
肉、魚、卵、大豆製品などを組み合わせ、必要なタンパク質を確保しましょう。
② 鉄
鉄は赤血球による酸素の運搬に必要なミネラルです。
特に月経のある女性では不足に注意が必要です。
赤身肉、魚、豆類などを食事に取り入れましょう。
③ 亜鉛
亜鉛はタンパク質の合成や細胞の正常な働きに関わるミネラルです。
牡蠣、肉類、魚介類、豆類などから摂取できます。
④ ビタミン類
ビタミンB群などは、エネルギー代謝や細胞の働きを支えています。
野菜、果物、魚、肉、卵など、さまざまな食品を食べることが大切です。
ただし、これらの栄養素も、
多く摂れば摂るほど髪が増えるというものではありません。
不足がある場合は補うことが重要ですが、過剰摂取は避け、
食事全体のバランスを整えましょう。
急に抜け毛が増えたり、分け目が目立つようになったりした場合は、
自己判断でサプリメントに頼るのではなく、
皮膚科などの医療機関で原因を確認することも大切です。
5.ガゴメ昆布を毎日の食事に取り入れる方法
ガゴメ昆布は、普段の食事に取り入れやすい海藻です。
独特のヌメリを生かすことで、食感を楽しみながら食物繊維も摂取できます。
おすすめの食べ方を紹介します。
・ガゴメ昆布のネバネバ和え
水で戻したガゴメ昆布に、オクラや納豆を組み合わせます。
ネバネバした食材を組み合わせることで、食べやすい一品になります。
・ガゴメ昆布入り味噌汁
味噌汁に少量加えれば、毎日の食事に無理なく取り入れられます。
豆腐やキノコ、野菜などを組み合わせれば、さまざまな栄養素を補えます。
・ガゴメ昆布ときゅうりの和え物
細かく刻んだガゴメ昆布ときゅうりを、酢や少量のしょうゆで和えます。
さっぱりと食べられるため、食欲が落ちやすい季節にもおすすめです。
ただし、昆布にはヨウ素が多く含まれる場合があります。
ヨウ素の過剰摂取は甲状腺の働きに影響することがあるため、
ガゴメ昆布を大量に毎日食べ続けることは避けましょう。
甲状腺の病気がある方は、摂取量について医師に相談すると安心です。
また、塩蔵品や味付け商品を利用する場合は、塩分量にも気を配りましょう。
6.肌の潤いと美しい髪のために、内側と外側からケアしよう
ガゴメ昆布のヌメリ成分であるフコイダンは、水分と関わる性質を持ち、
化粧品分野では肌の保湿を支える成分として研究されています。
また、毛乳頭細胞や毛髪の成長に関係する作用についても研究が進められています。
ただし、食品として摂取したフコイダンが直接肌に潤いの膜をつくることや、
毛乳頭細胞を活性化して毛髪の成長期を延長することについては、
ヒトでの効果を裏付ける十分な証拠が確立されているわけではありません。
だからこそ、ガゴメ昆布だけに美容効果を期待するのではなく、
栄養バランスのよい食事、十分な睡眠、適度な運動、
適切なスキンケアを組み合わせることが大切です。
40歳代からの美容は、一つの成分に頼るのではなく、
毎日の小さな習慣を積み重ねることが基本です。
海の恵みであるガゴメ昆布を日々の食卓に取り入れながら、
肌の潤いと健やかな髪を育む生活習慣を意識してみてはいかがでしょうか。
