白く透き通った肌は、若々しさと美しさをあらわすバロメーターのようなものですが、
肌がくすんでしまうと、顔色が赤黒くなったり、茶色や黄色っぽくなるなど、
トーンが暗くなって、乾燥肌と同じように見た目年齢を上げて
老けた印象を与えてしまいます。
「透明感がない・・・」「何となく顔色がさえない・・・」
といった印象を与えてしまう肌のくすみですが、
いつまでも若々しく美肌を維持したいと願う女性にとっては大問題になります。
そんな肌のくすみの原因は、一つではなく、さまざまなことが挙げられます。
まず、最も大きな原因とされるのは、
ターンオーバーが低下したときなどに起こる角質肥厚です。
ターンオーバーとは、新しく肌の細胞が生まれ変わるサイクルのことです。
人の肌は、表皮、真皮、皮下組織の３つの層に分かれており、
さらに表面になる表皮は、上から順に角質層、顆粒層、有棘層、基底層に分かれます。
そして、新しい表皮細胞は基底層で生まれ、徐々に角質層まで押し上げられ、
やがて古い角質細胞から順に垢となって剥がれ落ちて、新しい肌がつくられます。
肌に傷ができても、痕が残らずに完治するのは、
このターンオーバーによって、常に肌が生まれ変わっているからで、
正常であれば、約２８日周期で行われて新しく表皮の肌が生まれ変わります。
しかし、このターンオーバーは、年齢とともに老化の影響で速度が低下し、
４０歳を過ぎると、４０日もかかるといわれています。
すると、肌の表面に位置する表皮の中の角質層では、
古くなった角質が剥がれ落ちずに溜まって
厚く積み重なった状態になってしまいますが、これが角質肥厚です。
この角質肥厚が起った肌は、ゴワゴワの感じになり、
肌は褐色がかった灰色に見えて透明感がなくなり、くすみとしてあらわれます。
また、古い角質はメラニンを含んでいるので、
黒く、どんよりとした暗い印象を与えるようなくすみになってしまい、
さらに、大人ニキビの発症の原因にもなります。
こうした角質肥厚が原因の方は、不要な古い角質を取ることが先決です。
ピーリング化粧品や酵素洗顔で古い角質を取り去ることも有効ですが、
乾燥肌や敏感肌の方は、洗浄力の強い酵素洗顔料に注意が必要です。
次に、挙げられる二つめの原因は、肌の乾燥によるくすみです。
本来、人の肌は、わずか０.０２mmほどの薄い角質層の中で、
角質細胞間脂質のセラミドなどがバリヤ機能を形成し、
肌内部の水分を維持して乾燥から肌を守っています。
しかし、老化の影響や何らかの原因で、セラミドなどの保湿成分が低下すると、
バリヤ機能が低下して、肌内部の水分が蒸発し、
ついには、肌の潤いが失われて乾燥ぎみになってしまいます。
乾燥状態に陥った肌の表面は、しぼんでキメが乱れ、ツヤ感が低下し、
どんよりした肌色になります。
また、乾燥を補うために角質細胞が厚く積み重なるようになって角質肥厚を起こし、
肌表面の角質が毛羽立つ感じになり、陰影ができてくすみとしてあらわれます。
対策としては、セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸などの保湿成分が
含まれた美容液で、しっかりと保湿ケアして乾燥を防ぐことです。
その他の原因としては、睡眠不足などによる血行不良や紫外線などが挙げられます。
肌の色は、血液や色素が大きく影響しています。
睡眠不足が続き、血行不良に陥ってしまうと、血色が悪く、
暗い印象を与えることになってしまいます。
毎日、６時間以上の睡眠をしっかりと取り、
また、血行不良改善のために、栄養バランスを考えた食事を規則正しく摂って、
積極的に運動して、マッサージやストレッチすることも有効です。
できれば、体を冷やさないために温かい食事を摂ることをオススメします。
そして、紫外線は、肌だけでなく、さまざまなところに悪影響を及ぼし、
毎日ジワジワと積み重なってダメージを与えます。
肌は紫外線を浴びると、自らを守ろうとしてメラニンが大量に発生します。
本来、メラニンが発生してもターンオーバーとともに肌の外へ排出されますが、
それが肌内部に居座ってしまうと、くすみとなります。
また、クレンジングなどで拭き取る時の摩擦が原因で、
くすみがあらわれることもあります。
メラニンの排出を促し、メラニンの生成を抑制する美白化粧品でケアしましょう。
さらに、外出するときは、必ず日焼け止め化粧品を塗って、帽子をかぶったり、
日傘を使うなど、しっかりと紫外線対策を行いましょう。
このように、肌のくすみは、さまざまな原因から起こり、それぞれ違います。
原因を見極めて、そのくすみに合ったケア方法を考えましょう。
